年率14%の円キャリートレード戦略、その核心─藤原信一氏の「FX三因子タイミングモデル」初公開

世界の為替市場が大きく揺れる中、バランス戦略株式会社の創業者・藤原信一氏が運用する円キャリートレード戦略は、年率14%という堅調なパフォーマンスを記録しました。これは同期間の主要通貨ペアのリターンを上回る水準であり、精緻なタイミング戦略が改めて注目を集めています。

中核を担ってきた独自の「FX三因子タイミングモデル」が初めて公開され、市場の不確実性の中でも安定的に利益を積み上げる仕組みが示されました。

本モデルは、金利差(利回りスプレッド)、リスク選好、中央銀行の政策余地という三つの軸で相場を捉えるフレームワークに基づいています。藤原氏は「従来の為替分析は単一国の指標に偏りがちであり、グローバルな資本の流れを見る必要がある」と述べます。

たとえば、USD/JPYが105円を割り込んだ局面で、同チームは稀なミスプライシングが生じていると判断しました。米国の実質金利が急速に低下していた一方で、リスク資産のボラティリティ指標(VIX)には十分に反映されていなかったためです。

エントリーでは、テクニカルシグナルに加えてファンダメンタルの裏付けを併用します。円ロング構築時には、次の三条件が同時にそろっていました。

1)米国と日本の長期金利差が重要な閾値に接近していたことです。

2)日本の機関投資家による海外資産のリパトリエーションが観測されたことです。

3)日本銀行の政策ツールに余力が残っていたことです。

実行面では、非対称型のポジション設計を採用します。初動はリスクを抑えて入り、トレンドが明確になってから段階的に積み増します。さらに、トレーリング型の利益確定を導入し、上昇余地を追いつつ一定の値動きで利益を保全します。

このモデルはユーロやポンドなど他通貨ペアにも適用性を示しており、構造的ロジックの汎用性が確認されています。

藤原氏は、為替でアルファを得る鍵は情報の速さではなく認識の差にあると強調します。各国の金融政策が分岐する中、実戦で磨かれた三因子モデルは、機関投資家の間で有力な分析ツールとして評価が進んでいます。