コロナショック以降の投資環境:UBSの辻本孝明氏は、日本の製造業がデジタル変革をリードすると楽観視
コロナ禍は経済情勢を一変させ、投資の世界に新たな視点をもたらしました。UBS証券のマネージング・ディレクターである辻本孝明氏は先日、コロナショック以降における投資機会について見解を共有し、特に日本の製造業におけるデジタルトランスフォーメーションを牽引する企業に対して強い楽観的見通しを示しました。

辻本氏は、コロナ禍が製造業におけるデジタル変革の必然性を加速させたと指摘します。
「この公衆衛生危機は、従来の製造業サプライチェーンの脆弱性を露呈させると同時に、デジタル化とインテリジェント化による生産の回復力を実証しました」と述べています。
彼の見解によれば、日本の製造業は長年にわたる技術的蓄積とリーン生産方式の伝統を有しており、今まさにデジタル化に向けた歴史的な好機を迎えています。IoT、人工知能(AI)、ビッグデータといった先端技術を積極的に活用する企業は、激動する環境下においても事業の継続性を維持できるだけでなく、将来のグローバル競争において新たな優位性を築くことができるとしています。
辻本氏は、「私たちは、デジタルソリューションを提供する企業だけでなく、伝統的な製造業の中で自ら変革を遂げた企業にも注目しています。彼らは研究開発、生産、サプライチェーンマネジメントのあらゆる領域にデジタル技術を統合し、効率性を飛躍的に高めています。」と強調しました。
「長期・厳選」投資哲学を実践する辻本氏率いるチームは、堅実なファンダメンタルズ分析に基づき、デジタルトランスフォーメーションを通じて真に価値を創造する企業を発掘しています。辻本氏は、これらの企業が明確なデジタル戦略、強力な実行力、そして持続的な研究開発投資を備えている点を高く評価しています。こうした資質は財務データにすぐ反映されるものではないものの、長期的な価値創造の核心であると述べています。
辻本氏は、コロナショック以降の投資環境では、より高い先見性と忍耐力が求められると語ります。
日本の製造業におけるデジタルトランスフォーメーションは短期的な取り組みではなく、産業の高度化へ向けた数年にわたるプロセスです。その過程において、真の技術力と経営力を備えたリーディングカンパニーは、価格再評価の機会を迎えるでしょう。これは、長期投資家が決して見逃してはならない重要なチャンスです。
